そして父になるはつまらない?映画で伝えたいことは何だったのか
2013年に制作された、是枝監督・福山雅治さん主演の映画「そして父になる」。
DVDとテレビ放送とで2回見ましたが、子を持つ親としては見てよかったと思える良い映画でした。
しかし、ネットではつまらない、伝えたいことは何?などとの意見がちらほらと見られました。
けっしてつまらないことはないと思うのですが…。
2回見た僕の思う、そして父になるが伝えたいことは何だったのか、考察をまとめました。
そして父になるはつまらない映画なのか?
そして父になるはつまらない映画なのか?僕の個人的な意見はこうです。
・面白いという映画ではない
・考えさせる映画である
です。
面白い映画とは言えないかもしれませんが、考えさせられる映画という意味では素晴らしい映画だと思っています。
ただ、赤ちゃんの取り違えという絞られたテーマなだけに、
子供を持たない人が見るとつまらないと感じてしまうのはある程度仕方がないのかもしれません。
そういった意味では感情移入がしづらく、つまらないとなってしまうのでしょうか。
しかし、人は誰もが親から生まれた身です。
もし今の親が本当の親でなかったのなら…など考えながら見るのもいいと思います。
こんなことそうありえないよ、と思う方もいるかもしれませんが、
この話は実際に合った赤ちゃん取り違え事件を参考に作られた映画でもあります。
なのでこういったことが起こらないようにとの警鐘の意味も含められています。
また、ラストの結末の終わり方がよくわからない、などの意見も見受けられますが、
是枝監督の作品は映画の受け取り方を見ている人に委ねるものが多いので、そして父になるもそういったタイプの映画というわけです。
10人見れば10人が違う受け取り方をする、そんな映画もあっていいですし、
決してつまらない映画ではないと僕は強く思います。
そして父になるが伝えたいことは何だったのか
ラストの結末の終わり方が一見すると、途中で切れてしまったかのような演出になっています。
是枝監督が見ている人に投げかけているのだと思います。
ではそして父になるが映画として伝えたかったことは何なのか、2回見た僕が思う伝えたいことについて考察をまとめていきます。
血のつながっていなかった子供を6年間育てていたことを知った福山雅治とリリーフランキーの2家族。
親同士の考えで血のつながりを優先して子供の交換を決意しました。
(ここで子どもの意思に目を向けられていないのも考えさせるポイントです)
お互いに血のつながった子供と上手くいきそうになってはいくもののの、
子供は育ての親に戻りたいと考えていることがわかります。
そのことに気づいた福山雅治は血がつながっていない、今まで育ててきた子供のもとに向かい、一緒に帰るシーンで終わります。
エンディングがわかりづらいと言われているのはこのせいで、
結局どうなったのか、元に戻ったのか、血のつながりを優先したのか、がわかりません。
是枝監督は
震災後、家族の絆だけを語ることが多いと感じていた。「この映画で、人をつなぐのは血だけではない、と声高にではなく伝わるのなら、今届ける意味はあると思いました」
と述べていました。
なので是枝監督は人のつながりは決して血だけではないということを伝えたかったのだろうと思います。
僕自身、二人の子供を持つ親ですが、仮に今の子供たちが自分と血がつながっていないとわかったとしても、これまで一緒に過ごしてきた時間はとてもかけがえのないもので、決して血がつながっていないからと言って切れるものではないと思います。
この映画は大人の事情や都合で子どもが振り回されてしまいます。
何の罪もないのに…。
僕が思うこの映画が伝えたいこととは
そのことに気づかずに自分勝手な思いで子どもを翻弄してしまう。
そうなってしまいがちな大人・親への注意喚起でもある。
だと感じました。
余裕がなくて大人になり切れていない大人になってしまっているのでは。
そんなことをハッと感じさせてくれた映画です。
みんなの感想
そして父になるが伝えたいことは何だったのか、独自でアンケートをとりましたのでその一部をご紹介します。
血の繋がりなのか、育てた環境なのかという問題に向き合った時の親子の関わり方を考えて欲しいというメッセージを受け取りました。
血が繋がっていなくても、今までの1日ずつの過ごした時間が家族をゆっくり作っていくという過程を含めて、子供が産まれてすぐに親になるのではなく、時間をかけて親になることの意味で「そして」が題名についたのだと思います。30代女性
親も一人の人間、時間をかけて親になる、確かにその通りだと思います。
血の繋がりがあってもなくても、子どもとしっかり向き合って、その子にあった関係を築けば子どもも親も幸せなのではないだろうか、ということが伝えたかったのではないかと考えます。親は子どもの幸せを1番に考えるものです。大人と子どもで幸せの尺度が違うのは仕方ないとしても、せめて同じ方向を向いていないと血が繋がっていたとしてもチグハグな関係になってしまうのではないでしょうか。30代女性
子供と同じ方向を向く、これ結構難しいんですよね^^;でもとても大切なことです。
「生みの親より育ての親」という格言がありますが、実際には育ての親と生みの親、どちらか一方が大切ということではなく、
どちらの絆も強く単純に比べることはできない、ということを表現していると思いました。
生みの親も育ての親も関係なく、親にとって子は子です。30代男性
子どもにとっても関係ないんですよね、子にとって血がつながっていようがいまいが親は親なんです。
愛情は血の繋がり以上に大切だということなのかなと思いました。親だけではなく子供にとってもです。
今の世の中、血の繋がりがあっても虐待なとが起きています。
本来ならば起きてはならない取り違えに気づかず、6年間を一緒に過ごしそこで生まれた親に対する思い・息子に対する思いは、普通の親子と全然変わらないものだと思います。
血の繋がりのない親子に『血の繋がりなんて関係ない。愛があって信頼関係があれば立派な親子だ。』と伝えているのではないかと思いました。
反対に、血の繋がりのある親子に大しては『愛を持って育てなければ他人になってしまう。』と、そんな気がしました。30代女性
愛がなければ他人に…。怖い言葉ですがいろんな悲しい事件が起きているのをみると確かにそう思いますよね。
この映画を通じて一番伝えたかったことについては、「世の中にはどうしようもない理不尽なことがありながらも、それを受け入れ生きていかなければならない。またその出来事を通して人間は成長できる」ということではないでしょうか。自分たちは何も悪いことをしていないのに、病院の手違いによって理不尽な赤ちゃんの取り違えが起こってしまいました。またその二つの家庭環境が全く正反対だというところに更に理不尽さを感じます。しかし、福山さん演じるエリートパパが、時間を追うごとに人間味が出てきたり、二つの家庭が協力しながらも理不尽な出来事を乗り越えて成長している様子が見られたから、そのように思いました。40代女性
理不尽なことが起きないことが理想ですがそうもいきません。それをどう受け入れるかが大切です。
子供に対する本当の愛情を持つことが大事だということを伝えたかったのだと思います。最近は自分の欲や願望を子供に押し付ける親が多いように思われるので、子供一人一人の個性や能力、才能などを見つけてあげて、その子が本当にやりたいことをやらせてあげる事が大事だと思うからです。そして、親子の真の絆は血の繋がった親子であれば、本当に特別なものだということも伝えたかったのではないかと思います。30代女性
親が自分の理想やできなかったことを子供に押し付けてしまう。そういったこともよくある話です。
自分自身にも当てはめて考え、親として子供の事を一番に考えたいです。
最後に
以上で「そして父になるはつまらない?映画で伝えたいことは何だったのか」を終わります。
そして乳になるは、子供と親、生みの親、育ての親、とても考えさせられる映画です。
でも、子供と親と考えるよりも人と人って考えるのも一つの考え方かなとも今回の考察を終えて思いました。
子供に教えて貰うこと、たくさんあります。
僕自身の今までの子育てを振り返ると、最初の頃はいかに未熟な親だったか…。
そして今もまだまだです^^;
これからも親として頑張っていくので一緒に楽しもうぜ、子供たち!なんて気分です(笑)
なんかもう一度そして父になるを見たくなってきたなぁ^^
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